賃貸経営を始めた頃、私は家賃滞納について、それほど深刻に考えていませんでした。
「少し遅れても、最後には支払ってもらえるだろう」
そのように考えていたのです。
しかし実際に家賃管理を経験すると、滞納は単なる未収金ではありませんでした。
入金確認、管理会社との連絡、支払予定日の記録などに、多くの時間と労力が必要になります。
今回は、大家として経験した家賃滞納と、保証会社を重視するようになった理由をお伝えします。
家賃滞納は誰にでも起こる可能性がある
家賃滞納というと、最初から支払う意思がない人を想像するかもしれません。
しかし実際には、さまざまな事情が考えられます。
- 病気やけが
- 勤務先の事情や失業
- 離婚や家族関係の変化
- 急な出費
- 振込や口座残高の確認漏れ
そのため、入居者様を決めつけるのではなく、まず状況を正確に確認することが大切です。
一方で、事情があるからといって、大家が何も確認せずに待ち続けてよいわけではありません。
滞納が長引くほど、未収額と確認作業が増えてしまいます。
管理会社の問題で直接家賃を管理した経験
私が家賃滞納の大変さを実感したのは、管理会社への家賃入金が止まるという問題が起きたときでした。
その結果、入居者様から大家へ、家賃を直接振り込んでいただくことになりました。
当時、確認が必要だったのは住居10部屋とテナント1件です。
毎月11件分の入金を自分で確認しなければなりませんでした。
すべての家賃が決められた日に、決められた金額で振り込まれれば、それほど難しくありません。
しかし、滞納や分割払いがあると、管理は一気に複雑になります。
滞納はお金だけでなく時間も奪う
実際に経験した支払い状況は、毎回同じではありませんでした。
- 家賃を分割して支払う
- 支払予定日が途中で変わる
- 約束した日に入金されない
- 一部の金額だけ入金される
- 複数月分のどこまで支払われたのか分からなくなる
通帳には、振り込まれた金額と名前は記録されても、それが何月分の家賃なのかまでは記載されません。
そのため、通帳とレントロールを見比べながら、次のような確認が必要になりました。
- 今回の入金は何月分なのか
- 現在の滞納額はいくらなのか
- 次回はいつ、いくら支払われる予定なのか
- 以前の支払約束は守られているか
滞納者様が複数になると、確認する内容はさらに増えます。
家賃滞納は、収入が遅れるだけの問題ではありません。
確認、連絡、記録という作業に、大家や管理会社の時間も使われます。
家賃滞納が賃貸経営へ与える影響
家賃が入らなくても、賃貸経営の支払いは続きます。
- ローンの返済
- 管理費
- 共用部分の電気代や水道代
- 修繕費
- 固定資産税や保険料
また、入居中のため、新しい入居者様を募集して収入を補うこともできません。
1件の滞納でも、長期化すれば資金繰りへ影響します。
満室であっても、予定どおり家賃が入っているとは限らないのです。
保証会社は賃貸経営を支える重要な仕組み
家賃滞納を経験してから、私は保証会社の重要性を強く感じるようになりました。
管理会社さんから聞いた話では、滞納が発生すると、保証会社さんが入居者様へ繰り返し連絡することもあるそうです。
入居者様から管理会社さんへ、
「必ず支払うので、保証会社からの連絡を止めてほしい」
という相談が入る場合もあると聞きました。
大家だけで同じ対応を続けるのは、大きな負担です。
保証会社は、家賃収入だけでなく、滞納時の連絡や確認を支える大切な仕組みだと感じています。
ただし、保証会社へ加入していれば、すべて自動的に解決するわけではありません。
保証される範囲や滞納発生時の報告期限などは、契約によって異なることがあります。
加入している保証会社と契約内容を、大家自身も把握しておくことが大切です。
入居審査では支払いを続けられるか確認する
滞納を防ぐには、入居前の確認も欠かせません。
- 保証会社へ加入できるか
- 勤務先や収入に無理がないか
- 必要な書類がそろっているか
- 緊急連絡先が確認できるか
- 家賃が収入に対して高すぎないか
ただし、職業や年齢などだけで決めつけるのではなく、管理会社や保証会社と相談しながら総合的に判断することが大切です。
滞納が発生したら最初に確認すること
滞納に気づいたら、感情的に対応する前に、事実を整理します。
- 未入金になっている家賃の月と金額
- 入居者様の支払予定日
- 保証会社への加入状況
- 保証される範囲と報告期限
- 管理会社から入居者様へ連絡した日時と内容
- 通帳とレントロールの記録が一致しているか
口頭で聞いた支払予定も、日付と金額を記録しておくと、その後の確認がしやすくなります。
実際の督促や契約解除などについては、大家だけで判断せず、管理会社、保証会社、必要に応じて専門家へ相談することが大切です。
大家ができる家賃滞納への備え
滞納を完全になくすことは難しくても、発生したときの混乱は減らせます。
- 原則として保証会社を利用する
- 賃貸借契約書と保証会社の契約情報を保管する
- 毎月、通帳とレントロールを照合する
- 未入金を早い段階で管理会社と共有する
- 連絡内容と支払予定を記録する
- 急な未収に備えて資金を残しておく
管理会社や保証会社へ任せていても、大家自身が状況を把握することが重要です。
まとめ|家賃滞納は未収金だけの問題ではない
家賃滞納は、単に入金が遅れる問題ではありません。
大家、管理会社、保証会社、そして入居者様の時間と労力を使う問題です。
私自身、通帳とレントロールを見比べながら11件分の入金を確認した経験から、滞納管理の大変さを知りました。
だからこそ、保証会社、入居審査、契約書の保管、毎月の入金確認が大切です。
家賃滞納を軽く考えず、問題が小さいうちに状況を確認する。
これが、大家を10年以上続ける中で学んだ教訓です。