管理会社に不満を感じると、
「もっと良い管理会社へ変えた方がよいのではないか」
と思うことがあります。
私自身もそう考えていました。
しかし、1つの物件で管理会社が4回変わった経験から学んだのは、管理会社を変えれば、すべての問題が解決するわけではないということです。
管理会社の変更には、契約や書類の引き継ぎ、入居者様への案内など、多くの作業も発生します。
この記事では、私が管理会社を4回変更した経験と、変更を決める前に確認しておきたいことをお伝えします。
最初の管理会社変更は突然だった
最初の管理会社を変更するきっかけは、管理会社が業務停止命令を受けたことでした。
その後も連絡を取り続けましたが、電話はなかなかつながらず、入居者様から支払われた家賃も振り込まれない状態が続きました。
後から聞いた話では、そのお金は税金の差し押さえなどに使われていたそうです。
結果として、約500万円もの家賃が未払いとなりました。
現在も回収できていません。
この時は、改善を求めて話し合える状況ではありませんでした。物件運営と家賃を守るため、管理会社を変更する必要がありました。
管理会社を変えれば解決すると思っていた
当時の私は、
「管理会社さえ変えれば状況は良くなる」
と思っていました。
もっと良い会社へ変更すれば、空室や修繕などの問題も解決するはずだと考えていたのです。
しかし、現実はそれほど単純ではありませんでした。
管理会社を変えても、問題の原因が次のような部分にあれば、状況が改善しないことがあります。
- 物件の立地
- 周辺相場より高い家賃
- 厳しすぎる募集条件
- 古くなった設備
- 室内や共用部分の状態
- 競合物件と比較した時の弱点
管理会社に原因があるのか、物件や募集条件に原因があるのかを分けて考える必要があります。
2社目は良い担当者さんが退職した
2社目の管理会社は、前の管理会社から紹介された会社でした。
担当者さんは非常に親切で、安心して相談できる方でした。
ところが、その担当者さんが突然退職してしまいました。
担当者さんが変わった後も入居者様を決めてもらうことはできましたが、修繕費用が高額になることが増えていきました。
そこで、長年お付き合いのあった別の社員の方へ相談し、その方が勤める会社へ管理を変更しました。
この経験から、良い管理会社に見えても、担当者さんが変われば対応や結果が変わることを学びました。
3社目では優秀な担当者さんに出会った
3社目の管理会社には、事務と営業を兼任する優秀な担当者さんがいました。
連絡が早く、空室募集にも積極的で、入居希望者様からの要望もすぐに伝えてくれました。
その結果、物件は満室に近い状態まで回復しました。
しかし、その担当者さんも退職しました。
さらに会社の方針も変わり、管理費や工事費の値上げについて話が出るようになりました。
最終的には、以前からお世話になっていた担当者さんが独立されたため、現在は4社目へ管理をお願いしています。
管理会社を変える前に問題の原因を整理する
管理会社への不満を、そのまま変更理由にしないことが大切です。
まず「何に困っているのか」を具体的にします。
- 連絡や報告が遅い
- 家賃の送金が遅れている
- 空室への提案がない
- 修繕費の内容が分かりにくい
- 相談なく工事が進められる
- 入居者対応に問題がある
次に、その問題が本当に管理会社を変えなければ解決できないものかを確認します。
担当者さんとの話し合いや、連絡方法・報告方法の変更で改善できる場合もあります。
空室が問題なら、管理会社だけでなく家賃、募集条件、写真、設備、競合物件も確認する必要があります。
管理会社変更を検討する前の5つの確認
1.担当者さんへ問題を具体的に伝える
「対応が悪い」と伝えるだけでは、どこを改善すればよいか分かりません。
「空室の問い合わせ数を月に1回報告してほしい」など、改善してほしい内容を具体的に伝えます。
2.担当者の変更で改善できないか確認する
問題が会社全体ではなく、担当者さんとの連絡や対応にある場合もあります。
管理会社そのものを変更する前に、担当変更が可能か相談する方法があります。
3.物件側の原因を確認する
空室が埋まらない原因が、立地、家賃、設備、募集条件にある場合、管理会社だけを変更しても同じ問題が続く可能性があります。
4.管理委託契約書を確認する
解約の申し出が必要な時期や、違約金、引き継ぎ方法を確認します。
先に新しい会社を決めてしまうと、現在の契約と期間が重なることもあります。
5.新しい管理会社の体制を確認する
新しい会社へ変更する前に、次の点を確認します。
- 地域での募集実績
- 管理手数料
- 修繕時の連絡ルール
- 家賃の送金日
- 滞納時の対応
- 担当者が不在の時の対応
- 担当変更時の引き継ぎ体制
管理会社変更は契約を切り替えるだけではない
管理会社変更というと、管理委託契約を切り替えるだけのように感じます。
しかし実際には、多くの情報や物を引き継ぐ必要があります。
- 賃貸借契約書
- 入居者情報
- 保証会社の契約情報
- 家賃や敷金の管理状況
- 修繕履歴
- 滞納やトラブルの記録
- 物件と各部屋の鍵
- 設備の保証書や取扱説明書
- 業者の連絡先
中には資料が十分に引き継がれず、後から困ることもあります。
私自身も、賃貸借契約書や保証会社の情報が分からなくなり、苦労した経験があります。
入居者様への案内も必要になる
管理会社が変わると、入居者様にも影響があります。
- 新しい管理会社の連絡先
- 家賃の振込先
- 修繕や緊急時の連絡方法
- 変更日
などを正確に案内する必要があります。
案内が不十分だと、家賃が旧口座へ振り込まれたり、トラブル時の連絡先が分からなくなったりします。
現在の管理会社と新しい管理会社の間で、誰がどの案内を行うのかを確認しておくことが重要です。
管理会社を変更した方がよい場合もある
管理会社の変更は最後の手段ですが、変更を避け続ければよいわけではありません。
例えば、次のような状態が続く場合は、変更を具体的に検討する必要があります。
- 家賃の送金が繰り返し遅れる
- 重要な連絡が共有されない
- 連絡が長期間取れない
- 無断で高額な工事が行われる
- 入居者情報やお金の管理に不安がある
- 改善を求めても対応されない
感情だけで決めるのではなく、問題の内容と改善状況を記録したうえで判断します。
管理会社変更のチェックリスト
変更を決めた場合は、次の順番で確認すると整理しやすくなります。
- 現在の問題と変更理由を書き出す
- 現在の管理会社へ改善を依頼する
- 管理委託契約の解約条件を確認する
- 新しい管理会社の実績と体制を確認する
- 引き継ぐ書類と鍵を一覧にする
- 入居者様への案内方法を決める
- 家賃の送金状況を変更前後に確認する
- 引き継ぎ完了後も不足資料がないか確認する
まとめ|管理会社変更は目的ではなく手段
管理会社を変更することで、物件運営が改善する場合はあります。
しかし、管理会社を変えればすべての問題が解決するわけではありません。
まずは、問題の原因が管理会社、担当者、物件、募集条件のどこにあるのかを整理します。
そのうえで、現在の管理会社と話し合い、改善できる部分がないか確認します。
それでも改善が難しい場合に、契約内容と引き継ぎの準備を整えて変更することが大切です。
管理会社変更は目的ではなく、物件運営を改善するための手段です。
1つの物件で4回管理会社が変わったからこそ、私は管理会社変更を慎重に判断するようになりました。