空室対策

大家は募集条件を厳しくしすぎるな|アパートの空室が埋まらない原因になることも

不動産投資をしていると、

「できるだけトラブルの少ない入居者様に入ってほしい」

と考えるのは自然なことです。

私自身も大家になった頃は、募集条件を厳しくするほど安心だと思っていました。

しかし、条件を厳しくしすぎると入居希望者が減り、空室が長引くことがあります。

反対に、空室を埋めたいからといって、条件を安易に緩めればよいわけでもありません。

大切なのは、空室対策と入居後のリスクを分けて考え、自分の物件に合ったバランスを見つけることです。

今回は、大家歴10年以上の経験から、募集条件を見直すときの考え方をお伝えします。

募集条件を厳しくしたくなる理由

大家業を始めた頃は、家賃滞納や騒音、設備破損などの話を聞くたびに不安になりました。

そのため、条件を増やせばトラブルを防げるように感じていたのです。

例えば、次のような条件を検討することがあります。

  • 保証人を必須にする
  • 年齢に条件を設ける
  • 勤務年数や収入に条件を設ける
  • 単身者や世帯構成を限定する
  • ペット飼育を認めない

条件を設けること自体が、すべて間違いというわけではありません。

物件の構造や管理体制によって、必要な条件もあります。

しかし、理由を確認せずに条件を増やしていくと、借りられる人を必要以上に減らしてしまいます。

条件を厳しくするほど入居希望者は減る

大家業を続ける中で感じたのは、募集条件を追加するたびに、対象となる入居希望者が減るということです。

特に地方では、そもそもの入居希望者数が多くない地域もあります。

その中で条件を重ねると、物件を気に入ってくれた方からの申し込みまで失う可能性があります。

空室が長引けば、本来得られたはずの家賃収入も失われます。

例えば、月5万円の部屋が3か月空室になれば、単純計算で15万円の家賃収入がなくなります。

条件を厳しくすることで減らせるリスクと、空室が続くことで発生する損失の両方を考える必要があります。

条件を緩めれば解決するわけでもない

一方、空室が続くと、今度は募集条件を大きく緩めたくなります。

私も過去に、次のような条件について悩んだことがあります。

  • 高齢の方の入居
  • 外国籍の方の入居
  • 生活保護を受給している方の入居
  • ペット飼育を可能にすること

大切なのは、年齢、国籍、職業などだけで一律に判断することではありません。

実際の生活や管理に必要なことを、個別に確認することです。

  • 緊急時の連絡方法を確認できるか
  • 物件の利用方法や生活ルールを説明できるか
  • 家賃と収入のバランスに無理がないか
  • 保証会社を利用できるか
  • 管理会社が継続的に対応できるか

ペット可についても、単に申し込みが増えるかだけでは判断できません。

  • 臭いや鳴き声への対策
  • 既存の入居者様への影響
  • 建物や設備の傷み
  • 退去時の原状回復費用
  • 飼育できる種類や頭数

条件を広げる場合は、想定される問題への対応方法まで考えておくことが大切です。

私が選んだのは条件緩和ではなく設備改善だった

過去に空室が続いたとき、私たちは募集条件を大きく変えることも検討しました。

しかし、最終的に選んだのは設備の改善でした。

具体的には、無料Wi-Fiの導入です。

入居希望者様にとって、毎月の通信費を抑えられることは分かりやすい利点になります。

設備改善を進めた結果、私の物件では空室状況が改善し、満室につながりました。

もちろん、すべての物件で無料Wi-Fiを導入すれば空室が埋まるわけではありません。

この経験から学んだのは、募集条件の変更だけが空室対策ではないということです。

募集条件を変える前に空室の原因を確認する

空室が続いているときは、条件を変更する前に、なぜ申し込みが入らないのかを確認します。

私は現在、次の順番で見直すようにしています。

  1. 募集情報を見られているか
  2. 問い合わせや内見があるか
  3. 募集写真や紹介文に問題がないか
  4. 家賃や初期費用が周辺物件と合っているか
  5. 設備や室内状態に不便がないか
  6. 管理会社が積極的に紹介しているか
  7. 募集条件が必要以上に厳しくないか

募集ページ自体を見られていないのであれば、条件を変えても気づいてもらえません。

問い合わせはあるのに内見へ進まない場合は、初期費用や条件が原因かもしれません。

内見はあるのに申し込みがない場合は、室内状態や設備、周辺物件との差を確認します。

このように、申し込みまでのどこで止まっているかによって、必要な対策は変わります。

募集条件と入居審査を分けて考える

募集条件を広げることと、入居審査を行わないことは同じではありません。

入口では幅広く相談を受け、その後に管理会社や保証会社と必要な確認を行う方法もあります。

入居審査では、次のような点を総合的に確認します。

  • 家賃を継続して支払えるか
  • 保証会社の審査を通過しているか
  • 必要な書類がそろっているか
  • 緊急連絡先を確認できるか
  • 契約内容や生活ルールを理解できるか
  • 管理会社との連絡が取れるか

大家だけの印象で決めず、現場を知っている管理会社や保証会社の意見も聞くことが大切です。

保証会社の利用で選択肢が広がることもある

以前は、連帯保証人がいなければ契約が難しいケースもありました。

現在は、保証会社を利用することで、保証人がいない方でも契約できる場合があります。

保証会社の審査結果を参考にすることで、大家と管理会社も判断しやすくなります。

ただし、保証会社はすべての問題を解決してくれる仕組みではありません。

保証される範囲や滞納時の報告期限などを確認し、大家自身も契約内容を把握しておく必要があります。

募集条件を見直すときのチェックリスト

募集条件を追加したり緩和したりする前に、次の点を確認します。

  • その条件を設けている理由を説明できるか
  • 条件によって対象者がどの程度減るか
  • 空室の本当の原因は条件なのか
  • 設備や募集方法で改善できないか
  • 管理会社の意見を確認したか
  • 保証会社を利用できるか
  • 入居後に必要な管理体制があるか
  • 既存の入居者様へ影響しないか

「昔からこの条件だったから」という理由だけで続けるのではなく、現在の地域や物件に合っているかを確認することが重要です。

まとめ|厳しくしすぎず、安易に緩めない

募集条件を厳しくすれば、安心材料が増えるように感じます。

しかし、条件を増やしすぎると入居希望者が減り、空室が長引くことがあります。

反対に、空室を埋めるために条件を安易に緩めると、入居後の管理負担が増える可能性があります。

大切なのは、条件を厳しくするか緩めるかの二択ではありません。

まず空室の原因を確認し、設備、募集方法、家賃、管理会社の対応などを見直します。

そのうえで、管理会社や保証会社と相談しながら、自分の物件に必要な条件を決める。

それが、空室対策と入居リスクを両立させる方法だと感じています。

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  • この記事を書いた人

sumai-life

大家歴10年以上。アパート4棟を購入し、現在3棟を運営しています。中古戸建2回・アパート1回の売却、管理会社倒産による約500万円の家賃未回収、空室・修繕などの実体験をもとに情報を発信しています。

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